【キャップ+タキシード?】DIORの2015AWコレクション

ディレクターの室です。今回は2015AW(Autum & Winter)で特に気になったDIORのコレクションを紹介します。

フォーマルウェアのルールを壊す

フォーマルウェアにはルールがあることはこちらのブログなどでもお伝えしてきた次第ですが、ルールにだけ囚われることは、進化にはつながらないと自分は思います。

また古いルールを押し付ける一方ではフォーマルウェアへの関心は減るばかりで、今回のDIORのコレクションはいい意味でそんな歴史を破壊しているなあと感じました。

①ベーシックなタキシードルック。でも、どこかが…??

DIORのタキシード

例えばこちらのタキシードルック。襟のラペルが細いとか、パンツがストレートなんていうのは、相変わらずDIORっぽいのですが、それよりまずボタンが無い(笑)。そしてベストにもボタンが無い(笑)

その他はウィングカラーのシャツ、にカマーバンドなど正統派なルックです。

②現代的でモダンなモーニング

DIORのテールコート

モーニングと言えば午前中の正礼装として認識されている衣装。元々散歩着としてのルーツから夜中に着用することはない衣装なのですが、どうでしょう、この夜の執事感。

モーニングはベストと合わせて三つ揃えで着るのがルールなのですが、そんなのも無視です。けど純粋にここまでモーニングをファッショナブルに仕上げるのはDIORならでは。

ロング丈がブームな今あらためて注目されてもいいルック。

③燕尾服をキャップと合わせる

DIORの燕尾服

燕尾服(テールコート)とはジャケットの裾をカットしたデザイン。夜の礼装です。テールコートのルールは白の蝶ネクタイなんですが、まあこちらは黒ですね。白のウェストコートではなく黒のカマーバンド。

なお、①と同じくボタンもありません。燕尾服の裾のカットは斜めに入ることが一般的なんですが、横一文字にカットされているのも特徴的。

④ダサい結婚式衣装の典型「フロックコート」も大変身

DIORのタキシード2

修道士が現在も着用しているフロックコートはこれまで長く結婚式衣装のスタンダードでしたが、レンタル衣装屋にあるものはとにかくダサい(笑)。

こちらはすごくミニマルにまとまっているのと、ボタンがセンターではなくダブル仕立てのように被せるようになっていますね。

コンストラクション&リビルド(破壊と創造)

テーラードの世界はルールにとらわれつつも少しずつ変化を遂げているものなんですが、燕尾服やモーニングといった THE礼服はこれまであまり対象になりませんでした。

DIORの今回のコレクションで、またタキシードや燕尾服などにも注目が集まるといいですね。

※ちなみに今回紹介する衣装の生地は全てDIORのオリジナル。ブラックのウール&モヘヤ(アンゴラヤギ)だそうです。

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