いよいよ本日は金曜日。「明日は休みで嬉しい♪」という方もいれば「結婚式の準備がダルい・・・」と涙目の方もいるでしょう。本日はそんな涙目な男性が衣装選びで少しでも楽になるように?小物の重要アイテムである蝶ネクタイについてレクチャーしたいと思います。
蝶ネクタイについて
蝶ネクタイ(通称ボウタイ)を見かけるのはどんな時でしょうか?もちろん友人・知人の結婚式もありますが、やはり何といっても銀幕のスター達が約1世紀の歴史の名シーンで着用してきた映画ではないでしょうか?
フレッド・アステアや007のショーンコネリー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトンらは特に蝶ネクタイのアイコンとして広くしられる存在。
特に007のディナーパーティーのシーンでボンド達が着用する蝶ネクタイはベレッタやワルサーにも匹敵します。
また英国王室のチャールズ皇太子など欧米諸国の要人たちもタキシードと合わせて積極的に着用してきました。
蝶ネクタイはクロアチア人がルーツ
蝶ネクタイ自体のルーツは実は非常に古く、17世紀中(1650年頃)当時のフランス国王ルイ14世の時代と言われています。きっかけは、フランスの警備にあたっていたオーストリアのクロアチア兵たちが揃って首に巻いていた布。
このスカーフみたいな布はクラバット(クロアチア人という意味)と呼ばれ、無事な帰還を祈って妻や恋人から贈られたスカーフです。
このスマートな衿飾りに注目したルイ14世は、さっそく宮廷ファッションに取り入れられて、いつしか一般市民へと普及していきました。その後1800年代に入り、クラバットの結び目だけを独立させた”蝶ネクタイ”が登場したと言われています。
「蝶ネクタイ デカスギダヨ」
ちなみに日本人で初めて蝶ネクタイを付けたのは、アメリカに初めて渡った日本人 ジョン万次郎。
彼は日本が鎖国中の頃に偶然ハワイ沖でアメリカ船に拾われて、そのままアメリカ暮らしをスタートさせるという凄いストーリーの持ち主。帰国後は教師・通訳として日米和親条約の締結にも尽力、三菱グループの創始者 岩崎弥太郎などを教えています。
1870年、欧米使節のため結成された岩倉使節団の記念写真にも蝶ネクタイが映っておりますね。右から二番目の蝶ネクタイ男子が、あの初代内閣総理大臣 伊藤博文です。
早稲田大学の創設者で8代総理大臣の大隈重信もこの着用っぷり。
蝶ネクタイは世界の要人から映画のスターまで、記念となる写真や自身のPR写真であるポートレイトに登場してきた重要アイテムでもあったわけです。
蝶ネクタイは慎重に選ぼう
人生の節目に蝶ネクタイを着用するというのは、ある意味自分の歴史をそこに残すわけですから、まさに結婚式にピッタリなアイテム。だからこそ自分としては新郎さんにもそのルーツを知ってもらい、本当に自分に似合う良いものを付けていただきたいです。借り物の1000円の蝶ネクタイは式における自分の価値を安く見積もりすぎじゃないですか?
それでは蝶ネクタイの歴史や着用例はこのあたりにして、次は蝶ネクタイのデザインの種類を紹介していきます。
蝶ネクタイのデザイン4種類
①バタフライ 最もクラシカルで外国の人には「ジャンボ」と呼ばれている。 先端のサイズは7.6cm〜8.9cmと太くデカい。昔先輩がTOM FORDのバタフライタイ買おうとしてデカすぎて辞めたと言っていました(笑)
②セミバタフライ(モダンバタフライ) 先端の幅が5.7cm〜7cm程度。現在主流なデザインでTHE GENTSのボウタイはセミバタフライとバタフライの中間くらいのサイズです。(写真はTHE GENTS)
こちらの蝶ネクタイについてはオンラインストアで購入できます。
③ストレートエンド(バットウイング) 先端の幅が3.8cm〜5.1cm程度。コウモリの羽に似ていることに由来。
④ポインテッド 剣先が尖っているタイプです。好みありますが私は結構好きなタイプです。
蝶ネクタイは顔と体の大きさ、で選ぶ
似合う蝶ネクタイのデザインやサイズは顔の大きさで決まります。 一般的に言われているのは目尻から、顔の輪郭までの間に端がおさまるとバランスが良いと言われています。顔が大きいのに小さいデザインのストレートエンドなどは似合わないので種類を選んで着用してください。