今回は4月にご挙式のためオーダーメイドでタキシードをお仕立てしたK様のストーリーをご紹介です。
「知ろうとする」意欲こそが、タキシードの着こなしを最高のものにする
タキシードを着る機会というのは、よほど夜のパーティーにお出かけのセレブな方でもない限り、そうそうあるものではありません。
しかしながら本ブログでも紹介している通り、タキシードには着こなし、ジャケット一つにしてもパーツごとの持つ意味合い、小物など着用ルールが意外と多く、借り物をそのまま着ていると恥ずかしい着こなしになってしまうこともしばしば。
だからこそ、メンズフォーマルに専従している私たちには気になること、些細なことでも何でも聞いて欲しいと日頃から思っています。
今回ご紹介するK様は、これまでに無く「タキシード」に対する関心と意欲が高い方でした。だからこそ、このようにタキシードの模範的な着こなしが出来たのだと思います。
芝公園内に鎮座する「ザ・プリンスパークタワー東京」
ザ・プリンス パークタワー東京は、芝公園の中にあって、東京タワーが歩いて3分という近さ。日本にあるプリンスホテルの中でもフラッグシップ的な最上級のホテルです。
写真のように夜の東京タワーのライトアップが美しく見えるのはもちろんですが、それより自分が凄いと思うのは、東京都(&港区)の公共物である「芝公園」の中にホテルが立っているということ。
例え有名外資系のホテルであっても公共施設の中にホテルを立てるのは難しく、それこそ西武グループの持つパワーとプリンスホテルという日本に知れ渡るブランドだからこそなせる技。
浄土宗の七大本山の「増上寺」も隣接
また増上寺が近いというのも結婚式という意味では非常に縁起が良さそうです。
このお寺ですが、600年の歴史で徳川家の菩提寺としても知られています。古来より徳川一族というのは繁栄の象徴でした。徳川の6人の将軍がこの地で永眠しています。
また、勝運を招く黒本尊も祭られているので、会社を経営されているK様には商運も良さそう。
タキシードのテーマはTHE STANDARD
今回のオーダータキシードは一言で言えば THE STANDARDと呼べるデザイン。
ジャケットは、尾州の名門である葛利毛織製のブラックのタキシード生地、ピークドラペル仕様、拝みのくるみボタンをお1つで。
ポケットは両玉サテン、ベントはノーベントです。
パンツには側章を付け、ベルトレスでまさに正統派なタキシードのデザイン。
サイズ感とはデザインである
海外のラグジュアリーブランドが作る、デザイン性の高いタキシードも魅力的ですが、伝統的なタキシードの着こなしをスタンダードに仕上げるというのは、私達がブランドフィロソフィーとして大事にしていることです。
そんなスタンダードな着こなしをどうやればジェントルに、且つ2016年という時代にそぐうスタイリングとして提供できるか、そこで重要なのは「サイズ感」です。
今回のK様のタキシードでは、アラフォーであるK様のご年齢、責任ある立場としてのご職務、来場者の面々などを考えて、若々しく見える過度なタイトさは排除しつつも、肩、胸、腰、そして丈という部分をしっかりとメリハリをつけて形作ることで正統派ながら現代的なタキシードが出来上がりました。
10cmというワイドな衿(えり)幅で貫禄ある大人の紳士を演出。
足元はエナメルのオペラパンプスで締め、まさに無双でございます。
※蝶ネクタイ、オーダーメイドシャツ、タキシードジャケット&パンツが THE GENTS。
大人の船出は伝統的なスタイルをモダンなサイズ感で
今回K様のタキシードをオーダーで仕立てさせていただき、私たちとしてもやはりサイズ感というものがいかにフォーマルウェアにとって重要かを再認識させられました。
きっと10年後も20年後、いつ自分たちのご結婚式を振り返ったとしても、決して恥ずかしくないタキシードになったと思います。
(個人的には20代で短パンやカラフルな衣装で結婚式を挙げて、60歳になった時見返したらちょっと気恥ずかしいと思うものではないかと思います)
是非ご自分の挙式だけではなく、パーティーや主賓として呼ばれる部下、ご友人の結婚式にも着ていただければ作り手冥利につきます。
K様末永くお幸せに!