【続:短パン】トムブラウン~Kolorまで。ビーチスーツと言う新しい概念

前回ファレルの短パン&タキシードスタイルが思いのほか好評で(ありがとうございます!)、グーグルの検索流入もボチボチ入ってきたところで、もう一つこの新しいファッションについてアップしてみます。

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(※違和感だらけのこの写真)

まず、この短パン+ジャケットという出で立ちは、現在「ビーチスーツ」と呼ばれております。そもそもスーツ=ビジネスのアイテムでしたが、これをパーティーやリゾートといった遊びのシーンで楽しめないかと考案されたもの。短パンというカジュアルの代名詞を取り入れることで、まったく相反するコントラストを表現出来るといったわけです。

■どのブランドがこの概念を広めたか

リゾート仕様ではないですが、1960年頃のアメリカの”MADMEN”の時代を意識してハーフ丈のスーツを流行らせたのはTHOM BROWNEではないかなと思います。デザイナーのトムブラウン自身がグレーのウール地にショーツ丈、くるぶしソックスを着用しての登場はかなりインパクトの大きいものでした。(結構おっさんですし)

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その後各メゾンがこぞってビーチスーツをリリース、国内でもKolorやワッコマリア、ジョンローレンスサリバンなどがよりカジュアルダウンさせたスタイルを発表しております。

■昨今の流行の火付け役 伊勢丹メンズ館

2014年から伊勢丹メンズ館でスタートしたBeach Suit CREATION。今年で2回目ですが、店舗独自のルックを用意し特設フロアもあるとのことで、出店ブランドも2014年の22ブランドから今年は50ブランドと2倍以上のブランドが参加の模様。

去年はアレキサンダー・マックイーン、ジバンシィ、ジル・サンダー、ディオール オム、など海外ブランドを中心でしたが、今年はドメスティックも強化してエンジニアード ガーメンツ、イッセイミヤケメン、トゥモローランド、マーガレット ハウエル、モニタリー、ワコマリアなどが新たに参加するそうです。

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伊勢丹のコメントで気になったのは「特にブライダルシーンにおけるレストランウエディング、リゾートウエディング、二次会などファッションシーンの多様化に加え、女性のドレスのカジュアル化など、メンズも従来の純フォーマルなウェアだけでは対応しきれないケースが増えている」というコメント。

これは自分たちも現在世間の需要の強まりを感じております。

参考:ISETAN MENS

■クールビズとの関連性

ニュースサイトや伊勢丹の記事でもクールビズとの相性の良さを強調していますが、THE GENTSとしてはクールビズとの関連性は薄い、というか結びつけないほうがよいと思います。理由は先述したとおりスーツ=ビジネスのアイテムです。スーツの誕生は軍隊の制服に始まり、燕尾服やディナージャケット、フロックコートといったフォーマルウェアにその起源を得ています。

一方で短パンはその快適さからカジュアルウェアとして生まれたもの。この二つは相いれない存在なんじゃないかと。ビーチスーツはあくまでファッションの一つであり、涼しさや快適さを求めるための衣装ではないのでは。

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111512ジョンローレンスサリバン

さて、そんなクールビズですが、そもそもVゾーンにネクタイがないのはファッションとしてどうなんですか?(ダサいでしょ)という意見も。洒脱な紳士ならば、ネクタイは外さずともリネン(亜麻)混紡や背抜き、アンコンなどで涼しさを演出すべし!

■ウェディングにどう生かすか?

ウェディングに必要なのはTPO。これを決して忘れることなく。

出席者のリストと睨めっこし、会場の雰囲気をイメージ、奥様のドレスを考慮した上でビーチスーツをお仕立てくださいませ。

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