着物もオーダーで作る時代 メンズきものの新しい価値創造

自分のブランドの宣伝の以前に、人の店を宣伝してどうするんだという ご叱責覚悟で、本日は面白そうなニュースがあったのでご紹介。

10835145_612687812198618_4820170530561592724_o3/1 着物のコンセプトショップ「Y. & SONS 」を東京にオープン

てっきり着物に再び力を入れはじめた”UNITED ARROWS & SONS”が神田にフラッグシップストアでもオープンしたか、と思いましたが、頭文字のYは着物のやまとの”Y”でした。創業100年近い着物の老舗やまとですが、これまでうん十万円のお仕立て代を要する着物をカジュアルなものにと、今回は男性に向けた着物と現代洋装ファッションのコラボレートを目指す動き。

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アートディレクターに平林奈緒美氏、バイイングディレクターに二村毅氏、インテリアデザイナーに佐々木一也氏が携わっております。着物以外のセレクトは、昨年ハットで人気爆発したKIJIMA TAKAYUKI (キジマタカユキ)、Want Les Essential (ウォントレスエッセンシャル) 、FOOTSTOCK ORIGINALS (フットストック・オリジナルズ) 、N. HOLLYWOOD (N.ハリウッド) などなど。

価格、納期

気になる価格ですが、綿きものから、結城紬、大島紬までオーダーで、綿きもの3万9千円~、ウールきもの4万9千円~、絹きもの8万9千円~ (お仕立て代込)。

採寸、誂え、仕立てまでの工程は2週間。ヘタするとシルクの着物でもパターンオーダーのスーツより安いかもしれない。逆に言えば着物ってこんな安く作れるんだというのが自分の正直な感想でした。

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呉服産業とブライダル産業

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呉服業界は日本の衰退産業の代表格で、今となっては、おばさんが結婚式で着たり、成人式にレンタルで着たり、といった人生の区切りにのみ着る一張羅でした(価格もびっくりするくらい高額)

今回のやまとの試みは、①価格を下げて門戸を広げる ②現代的なファッションの中に日本の着物文化を取り込む ③着物を誂えて着るという価値観創造の3つですが、売るもの違えど、考え方のベクトルは完全に自分たちTHE GENTSと同じだなと。

スーツを除く男性のフォーマルウェアは、よっぽど業界人でもない限り、人生の区切り(結婚式がほとんど)でしか着用されないものだったので、安易なレンタルが市場独占してきましたが、今や価格も常識的な価格で上質な物をオーダー出来る時代。もちろんオーダーでも現代のファッションに合っていない、ダサいのはNGですが。

スーツの世界がつるしからオーダーに変遷しているように、オーダーメイド化はすでにウェディング業界の共通用語になっています。これからは衣裳の世界も必ず変わってきます。特に新郎の衣裳のタキシードもオーダーで誂えて着るのが選択肢として当たり前になってくるでしょうね。

 ※画像はオフィシャルサイト、FBよりお借りしました。