「いつかはクラウン」その昔、トヨタの高級車クラウンのコマーシャルで石坂浩二が渋い語り口で喋っていたあのCM。
今では昔ほど高級車アピールは無くなりましたが、オヤジ世代の方の中には今でもクラウンへのあこがれが強いと聞きます。
そんな「いつかは」ですが、オーダースーツやオーダータキシードの生地の中で最も名実ともに優れたブランドがErmenegild Zegna(エルメネジルド・ゼニア) 通称ゼニアです。
スーツ、タキシードを着こなす方なら「いつかはゼニアで誂えたい」そんな方も多くいらっしゃる(はず)。
今回限定着数ではありますが、ゼニアのブラックが入荷しましたのでそのお知らせです。
そのネームバリューで人気なエルメネジルド・ゼニア
世界にロロ・ピアーナやドーメル、ホーランド&シェリー、テイラー&ロッジなど数多くのトップメーカーがありながら、何故ゼニアがここまで評価を受けているのか不思議じゃありませんか?
その鍵はゼニアの歴史を紐解くとわかってきます。
エルメネジルド・ゼニアは1910年に現在でもスーツ服地のミルのメッカであるビエラ・アルプスの小さな町トリヴェロに工場を創業しました。
1930年代に高品質の毛織物の生産を開始して以降高い技術力と上質な羊毛の管理でテキスタイルメーカーとして名を馳せたのです。
しかし、実はゼニアが今のように特に日本国内で圧倒的な知名度を得たのは、1980年代に既製服をスタートしてからのこと。
創業者の孫、エルメネジルド・ゼニア(創業者のおじいさんと同じ名前)が既製服部門の責任者に就いてから一気に「ブランド」としても成長したのです。
ブランディングに大量の予算を投入
「スーツやタキシードのことは別に詳しくない、けどゼニアって凄いんでしょ?」 そういうお客様がいらっしゃるのはまさにゼニアのブランディングの賜物。
日本国内のデパートへの出店はもちろん、著名建築家ピーターマリノが手がけた銀座や心斎橋のグローバルストアでストリートブランディング、さらに雑誌はGQやMENS EXなどハイクラスなスーツファッション誌からMENS CLUB、Beginなど、カジュアルも織り交ぜた若者向けのファッション誌への広告出稿など巧みな方法で今の地位を獲得したのです。
高い技術力と優れた羊毛を確保できたとしても、職人気質なテキスタイルメーカー達は、それをどうやって一般消費者に届けるかまでは上手くできなかった。ゼニアはここを上手く突破出来たのです。
エルメネジルド・ゼニアの入荷は限定的
ゼニアはブランドとしても既製服を扱いつつ、自分たちのようなテーラーにも生地を提供してくれています。
ただしブランド力が高い分、値も高い(苦笑) これまでもゼニアのホワイト、シルバーグレー、ブラックは何度か入荷がありましたが、オーストラリアの最高レベルに管理された羊のウール素材、卓越した織り技術から生まれる独特の光沢感が素晴らしく、その名前を知らない方でも魅力が直ぐに伝わるため、入荷するも数週間でSOLD OUTが続いておりました。
今回再びブラックが入荷し、根強い正統派のブラックタキシード希望のお客様にご提案です。
この生地の特徴は? -TRAVELLER-
こちらはゼニアのトラベラーと呼ばれるシリーズ。トラベラーでは強く撚ったダブルツイスト糸(双糸=2本の糸を撚り合わせて1本の糸にしたもの)を使用します。
双糸を使用する場合、生地はハリとコシが出て耐久性が増します。 双糸を使うと生地は厚くなりがちですが、トラベラーの場合は双糸にする糸をゼニアの高品質の細い糸を使用することで生地を薄くしています。シワになりにくく、デイリーユースするにも最適。もちろん290g前後の厚みは通年でタキシードにするには十分な目付量といえます。
カメラで寄って見ると生地の綾織が目立ちますが、実際全体に見るとそこまで目立ちません。
タキシードクロスとは違う、軽やかさ
こちらはタキシードクロスと呼ばれる独特な黒さや、重厚さはこの生地にはありません。
光沢感は十分、華やかさはありますが、重厚感という意味ではクラシックなタキシードのイメージとは少し違うと思いますね。
こんな人にオススメ
以下のような方にはオススメです。
①リーズナブルにゼニアの生地を使ってみたい
②重厚感よりはパーティー感
③二着目のフォーマルウェアを探している
数量限定のため、ご希望の場合は確認を
こちらの生地については、数に限りがございますのでご要望ある場合は事前に電話もしくはメールにてご確認いただけると幸いです。
個人的にはゼニアはもちろんオススメですが、クラシックな威厳あるイギリスや日本の生地、よりタキシードのデザインに特化した華やかなイタリア製の生地などもあるので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
こちらのオーダーメイド価格はどの生地を使用しても129000円(税別)は変わらずです。